映画『お葬式』のラブシーンは山崎努と高瀬春奈の林中の密会!伊丹十三が描いた生と死の対比を解説

映画『お葬式』には、葬儀の最中に主人公が愛人と林の中で密会するという衝撃的なラブシーンが描かれています。

このラブシーンは山崎努さん演じる侘助と高瀬春奈さん演じる愛人・良子によるもので、「死」と「生」の対比を鮮烈に描いた演出が視聴者の間で大きな話題となりました。

この記事では、映画『お葬式』のラブシーンの詳細な演出や見どころ、視聴者の反応、そしてこの作品を視聴する方法までまとめてご紹介します。

作品名 お葬式
ジャンル 映画(コメディ・ドラマ)
公開年 1984年11月17日
監督・脚本 伊丹十三(初監督作品)
主なキャスト 山崎努、宮本信子、高瀬春奈、菅井きん、大滝秀治、津川雅彦、笠智衆
上映時間 124分
配給 ATG(日本アート・シアター・ギルド)
話題のシーン ラブシーン(1シーン)

映画『お葬式』のあらすじ

俳優夫婦の井上侘助(山崎努)と千鶴子(宮本信子)がCM撮影中に、千鶴子の父・雨宮真吉の訃報を受けるところから物語は始まります。急いで伊豆の病院へ向かった二人は、そのまま通夜と告別式の準備に追われることになります。

初めて喪主を務めることになった侘助は、葬儀の作法も段取りもわからず右往左往します。僧侶への挨拶、弔問客への対応、焼香の順番など、次から次へと降りかかる「初めての葬儀」に振り回される姿が、コミカルかつリアルに描かれていきます。

厳粛であるはずの葬儀の裏側で繰り広げられる人間模様をコミカルに描いた作品で、伊丹十三監督の記念すべき初監督作です。伊丹監督自身が妻・宮本信子さんの父の葬儀で喪主を務めた実体験をもとに、わずか1週間で脚本を書き上げたと言われています。

撮影は神奈川県湯河原町にある伊丹邸で行われ、キャストには山崎努さん、宮本信子さんのほか、菅井きんさん、大滝秀治さん、津川雅彦さん、笠智衆さんなど日本映画を代表する俳優陣が集結しました。

映画『お葬式』のラブシーン詳細

映画『お葬式』で最も話題となるのが、葬儀の最中に主人公・侘助が愛人の斉藤良子と密会するラブシーンです。ここからはそのシーンの詳細と演出の見どころをご紹介します。

侘助と愛人・良子の林中のラブシーン

葬儀が行われている最中、侘助は愛人である良子(高瀬春奈)に誘われ、屋敷近くの林の中へと姿を消します。

良子は侘助の愛人という立場でありながら、弔問客に紛れて葬儀の場に現れます。喪主として忙しく立ち回る侘助に近づき、人目を避けて林の中へと誘い出すのです。

侘助は断り切れずに良子と関係を持ってしまいます。喪主としての責任を放り出して愛人と密会するという、不謹慎でありながらどこかコミカルな展開です。高瀬春奈さんが演じる良子の奔放さと、山崎努さんが演じる侘助の優柔不断さが際立つ場面となっています。

このシーンで特筆すべきは、伊丹監督の巧みな編集技法です。林の中での侘助と良子の密会シーンと、丸太のブランコに揺れる妻・千鶴子のショットが交互に映し出される演出が施されています。

妻の千鶴子が何も知らずにブランコで揺れている平穏な映像と、夫が愛人と密会している映像が交互に映し出されます。観る者は「いつバレるのか」というスリルと、状況のおかしさからくる笑いの両方を感じることになります。

「死」と「生」の対比が生む独特の余韻

このラブシーンが単なるスキャンダラスな場面として片付けられないのは、葬儀という「死」の象徴的な場面と、愛人との密会という「生」を体現する行為が鮮やかに対比されているからです。

厳粛な儀式の裏で人間の本能的な欲望が顔を出すという構図は、伊丹監督ならではの人間観察の鋭さを感じさせます。形式ばった葬儀の場で、人間はどこまでも人間であるという滑稽さが浮き彫りになるのです。

高瀬春奈さんの大胆な演技も、このシーンの印象を強めている大きな要因です。良子というキャラクターの奔放さが、侘助の戸惑いと対照的に描かれ、場面全体にどこかおかしみのある空気が漂います。

伊丹監督はこのラブシーンを通じて、葬儀の場でも変わらない人間の業や弱さを描き出しました。笑いとペーソスが入り混じったこの場面は、映画全体のテーマを象徴するシーンの一つとなっています。

映画『お葬式』のラブシーンへの視聴者の反応

映画『お葬式』のラブシーンについては、公開当時から現在に至るまで様々な反応が寄せられています。ここでは代表的な視聴者の声をご紹介します。

衝撃と笑いが入り混じった反応

「葬儀の場にラブシーンがあるとは思わなかった」という驚きの声は多く見られます。「お葬式」というタイトルからシリアスな内容を想像していた視聴者にとって、林中のラブシーンは完全に予想外の展開だったようです。

一方で、「脚本も演出も面白く、大人の作品として予想以上に笑わせてもらった」という好意的な感想も目立ちます。葬儀というテーマをコメディとして成立させた伊丹監督の手腕を評価する声です。

また、「丸太のブランコに揺れる妻のショットとの交互編集が印象的だった」という演出面に注目した感想も見受けられます。映像表現としての完成度の高さを評価する映画ファンも多いようです。

賛否が分かれるポイント

「あのシーンは本当に必要だったのか」という批判的な意見も存在します。葬儀という厳粛な場面にラブシーンを組み込むことへの違和感を覚える視聴者もいるようです。「露骨な描写がマイナスだった」という声も一部にはあります。

しかし、映画評論の場では「死と生の対比を象徴する重要なシーン」として高く評価されているのも事実です。葬儀の厳粛さと人間の欲望が同時に存在する矛盾を描くことで、作品に深みが生まれているという見方です。

この賛否両論こそが、40年以上経った今でもこの映画とそのラブシーンが語り継がれている理由の一つかもしれません。観る人によって受け取り方が大きく変わるシーンだからこそ、何度でも議論の対象になるのでしょう。

映画『お葬式』の受賞歴と評価

映画『お葬式』は伊丹十三監督の初監督作でありながら、国内の主要な映画賞を席巻しました。ここでは確認できた受賞歴をまとめます。

日本アカデミー賞5部門受賞

第8回日本アカデミー賞では、最優秀作品賞・最優秀監督賞(伊丹十三)・最優秀脚本賞(伊丹十三)・最優秀主演男優賞(山崎努)・最優秀助演女優賞(菅井きん)の5部門を受賞しています。

初監督作品で最優秀作品賞と最優秀監督賞を同時に獲得するという快挙は、伊丹監督の才能がいかに卓越していたかを物語っています。主演の山崎努さんも、喪主の戸惑いとおかしみを見事に演じ分けた演技が高く評価されました。

その他の受賞歴

日本アカデミー賞以外にも、第27回ブルーリボン賞監督賞、第9回報知映画賞では作品賞・助演女優賞(菅井きん)・特別賞(宮本信子)を受賞しました。

第39回毎日映画コンクールでも日本映画優秀賞・監督賞・男優主演賞(山崎努)を受賞しており、1984年の日本映画を代表する作品として広く認められた一本です。

よくある質問

映画『お葬式』のラブシーンについて、よく検索される疑問にお答えします。

Q. 映画『お葬式』のラブシーンは誰と誰のシーン?

山崎努さん演じる主人公・井上侘助と、高瀬春奈さん演じる愛人・斉藤良子のラブシーンです。葬儀の最中に林の中で密会するという設定で描かれており、伊丹十三監督の初監督作を代表する話題のシーンとなっています。

Q. なぜ葬儀の場面でラブシーンがあるの?

伊丹十三監督は、葬儀という「死」の場面と対比させる形で「生」を象徴するラブシーンを配置しました。形式ばった儀式の裏にある人間の本音や欲望を、ユーモアを交えて描くことが作品のテーマの一つとなっています。

Q. 映画『お葬式』の撮影場所はどこ?

神奈川県湯河原町にある伊丹十三監督の自邸で撮影が行われました。監督自身の実体験を基にした作品だけに、葬儀のリアルな空気感が画面から伝わってくる仕上がりになっています。

映画『お葬式』を視聴するには?

映画『お葬式』は1984年公開の作品ですが、現在でもいくつかの方法で視聴することができます。

DVDは「伊丹十三DVDコレクション」シリーズとして販売されており、Amazonなどで購入可能です。

動画配信サービスでの配信状況は時期によって変わるため、最新情報は各サービスの公式サイトでご確認ください。TSUTAYA DISCASでの宅配レンタルも視聴手段の一つとして利用できます。

この作品は各種動画配信サービスで視聴できます。最新の配信状況は各サービスの公式サイトでご確認ください。

この作品が好きなら(関連作品)

映画『お葬式』を楽しめた方には、伊丹十三監督の他の作品もおすすめです。

『タンポポ』(1985年)は食をテーマにしたコメディで、『お葬式』と同様にユーモアと人間観察が光る一本です。『マルサの女』(1987年)は税務調査をテーマにした社会派コメディで、宮本信子さんの代表作としても知られています。

いずれも伊丹監督ならではの鋭い視点とユーモアが詰まった作品で、「日常の裏側をコミカルに切り取る」という『お葬式』の作風を別のテーマで味わうことができます。

まとめ

映画『お葬式』のラブシーンは、山崎努さんと高瀬春奈さんが演じた林中の密会シーンです。葬儀の最中という緊張感のある場面設定と、丸太のブランコに揺れる妻のショットとの交互編集が、伊丹十三監督の演出力を象徴しています。

賛否両論はあるものの、「死」と「生」を対比させたこの場面は、40年以上経った今でも日本映画史に残る印象的なラブシーンとして語り継がれています。第8回日本アカデミー賞で5部門を受賞した本作の、人間の本質を鋭く見つめるまなざしをぜひご自身の目で確かめてみてください。

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