映画『シェイプ・オブ・ウォーター』のラブシーンは、バスルームを水で満たした幻想的な演出で多くの観客の心をつかんだ名シーンです。サリー・ホーキンス演じるイライザとダグ・ジョーンズ演じる半魚人”アセット”の愛の描写は、「気まずい」「美しい」と評価が真っ二つに分かれたことでも話題になりました。この記事では、作品のラブシーンの詳細や見どころ、ファンの反応、そしてラストシーンに込められた意味まで詳しく解説します。
| 作品名 | シェイプ・オブ・ウォーター(The Shape of Water) |
|---|---|
| ジャンル | 恋愛ファンタジー映画 |
| 公開年 | 2017年(米国)/ 2018年3月(日本) |
| 監督 | ギレルモ・デル・トロ |
| 主要キャスト | サリー・ホーキンス、ダグ・ジョーンズ、マイケル・シャノン、リチャード・ジェンキンス、オクタヴィア・スペンサー |
| 受賞歴 | 第90回アカデミー賞 作品賞・監督賞ほか4部門受賞(13部門ノミネート) |
| 話題のシーン | ラブシーン・親密なシーン(3シーン) |
『シェイプ・オブ・ウォーター』のラブシーン一覧
『シェイプ・オブ・ウォーター』には、イライザと半魚人の関係性を象徴する印象的なラブシーンが複数あります。それぞれが物語の中で重要な意味を持ち、二人の愛が深まっていく過程を繊細に描いています。
バスルームを水で満たしたラブシーン
本作で最も話題になったのが、イライザが自宅のバスルームを丸ごと水で満たし、半魚人”アセット”と過ごすラブシーンです。水中で二人が抱き合う映像は、幻想的でありながらどこか生々しく、観る人の価値観を揺さぶる演出として話題を集めました。
声を出せないイライザにとって、水の中は半魚人と対等になれる空間でもあります。陸上では「障害」として扱われる彼女の特性が、水中では何の壁にもならない。そんなメッセージが込められたシーンでもあります。
ギレルモ・デル・トロ監督は、このシーンを「おとぎ話」として片づけず、二人の身体的な交流をあえてリアルに描きました。幻想的な映像美と生々しさが同居する、他の映画ではなかなか見られない独特のラブシーンです。
撮影面でも注目すべき点があります。水中撮影には特殊なセットが使用されており、バスルームのドアや隙間をタオルで塞いで水を溜めるという劇中の描写も、実際のセットで再現されたとされています。ダグ・ジョーンズは全身に特殊メイクを施した状態での水中演技を求められ、サリー・ホーキンスとの息の合ったパフォーマンスが、このシーンの説得力を支えています。
イライザの日常に描かれる孤独と渇望
物語の冒頭では、イライザの毎朝のルーティンが淡々と描かれます。その中にはバスタブでの一人の時間も含まれており、彼女の孤独な日常と身体性がさりげなく表現されています。
このシーンがあることで、後半のラブシーンが単なるファンタジーではなく、一人の女性の切実な願いとして響くのです。声を出せず、社会的に孤立したイライザが、言葉を必要としない存在と出会ったことの意味が、冒頭から丁寧に描かれています。
日常描写とラブシーンが地続きになっている点は、「大人のためのおとぎ話」と称される本作の真骨頂といえるでしょう。
ラストの水中シーン――首の傷がエラに変わる瞬間
クライマックスでは、瀕死のイライザを半魚人が水中に連れていきます。そこで半魚人がイライザの首の傷に触れると、傷がエラのように変化し、彼女は水中で呼吸ができるようになります。
イライザの首の傷が半魚人のエラと同じ位置にあったこと、彼女が孤児として川で発見されたという設定から、「イライザ自身が人魚的な存在だったのでは」という考察がファンの間で広がっています。
このラストシーンは童話『人魚姫』の逆バージョンとも解釈されています。人魚姫は人間になるために声を失いましたが、イライザは声を持たないまま水の世界に還る。その対比が美しいと、多くのファンに支持されている結末です。
各シーンの見どころ・注目ポイント
ラブシーンの演出には、ギレルモ・デル・トロ監督ならではのこだわりが随所に詰まっています。ファンタジーとリアリティの絶妙なバランスが、本作の最大の特徴です。
演出・映像美の評価
本作のラブシーンで特筆すべきは、「水」というモチーフの徹底的な活用です。イライザの日常にあるバスタブの水、研究所のプール、そしてラストの海――すべてのシーンが水で結ばれています。
色彩設計も見逃せません。映画全体がティール(青緑色)のトーンで統一されており、水中シーンではその色調がさらに強調されます。冷たいはずの色合いが、二人の間に流れる温かい感情と対比を作り出しています。
なお、日本公開版ではシーンのカットや差し替えはなく、1箇所のみぼかし処理が施されているとのことです。映画のR15+指定もこうしたラブシーンの表現が理由と考えられます。
ファンの反応――「気まずい」と「美しい」が共存する理由
『シェイプ・オブ・ウォーター』のラブシーンに対するファンの反応は、大きく二つに分かれています。
「今まで見た中で一番綺麗なラブシーン」と絶賛する声がある一方で、「気まずい」「家族と一緒に観るのはきつい」という声も少なくありません。
「気まずい」と感じる理由として多いのは、ファンタジー映画に期待するふんわりした演出ではなく、身体的な交流をかなり率直に描いている点です。「幻想的なはずなのに、どこか生々しい」という感覚が、観る人に独特の感情を残すようです。
一方で、「異種間の愛」というテーマに真正面から向き合い、恥じらいを見せない演出こそが本作の価値だという評価も根強くあります。「観る人の価値観そのものを映し出す鏡のようなシーン」という指摘もあり、ラブシーンの受け取り方が作品の評価に直結する稀有な映画といえます。
映画レビューサイトでも、本作のラブシーンに言及した感想は非常に多く、肯定派・否定派ともに熱量のある議論が交わされています。海外の批評家からは「モンスター映画の枠組みで純粋なラブストーリーを成立させた」という評価も見られ、アカデミー賞作品賞の受賞理由の一つとも指摘されています。
よくある質問
『シェイプ・オブ・ウォーター』のラブシーンについて、よく寄せられる疑問をまとめました。
Q: ラブシーンは何分頃にありますか?
具体的な時間(何分何秒)についてはソースによって異なるため断定できませんが、物語の中盤以降にバスルームのラブシーンが登場し、クライマックスに水中のラストシーンがあります。上映時間は約124分の作品です。
ストーリーの流れとしては、イライザが研究所からアセットを自宅に連れ帰った後にバスルームのシーンへと展開します。ラストの水中シーンは物語の最終盤、追手から逃れた先の水辺が舞台です。
Q: 日本版はカットや修正がありますか?
日本公開版ではシーンのカットや差し替えは行われていません。1箇所のみぼかし処理が施されていますが、ストーリーや演出への影響はないとされています。
Q: イライザの正体は何ですか?
映画の中で明確に語られてはいませんが、首の傷がエラに変わるラストや、孤児として川で発見された過去から、「イライザ自身も水の世界の存在だったのではないか」という考察が多くのファンに支持されています。童話『人魚姫』との関連も指摘されています。
Q: ラブシーンの年齢指定はどうなっていますか?
日本ではR15+指定で公開されました。身体的な描写を含むラブシーンがその主な理由と考えられます。米国ではR指定(17歳未満は保護者同伴)となっています。家族で鑑賞する際は、事前に年齢指定を確認しておくことをおすすめします。
『シェイプ・オブ・ウォーター』を視聴するには?
『シェイプ・オブ・ウォーター』はアカデミー賞4部門を受賞した名作で、現在も複数の動画配信サービスで視聴可能です。
この作品は各種動画配信サービスで視聴できます。最新の配信状況は各サービスの公式サイトでご確認ください。
この作品が好きなら(関連作品)
『シェイプ・オブ・ウォーター』の世界観に惹かれた方には、同じくギレルモ・デル・トロ監督の『パンズ・ラビリンス』もおすすめです。ダークファンタジーの美しい映像と、残酷な現実が交差する物語には共通するテーマがあります。
また、デル・トロ監督の怪物愛が色濃く反映された『クリムゾン・ピーク』も関連性の高い作品です。ゴシック・ロマンスの装いの中に人間の欲望と愛情が交錯する物語で、『シェイプ・オブ・ウォーター』と同様に美術と演出へのこだわりが際立っています。
異種間の愛を描いた映画としては『美女と野獣』シリーズも関連性が高い作品です。『シェイプ・オブ・ウォーター』がディズニー的なおとぎ話をどのように大人向けに再構築したのか、見比べてみるのも面白いかもしれません。
まとめ
『シェイプ・オブ・ウォーター』のラブシーンは、ファンタジー映画の枠を超えた大胆な演出で、公開から数年経った今も語り継がれるシーンです。バスルームを水で満たした幻想的な映像、イライザと半魚人の言葉を超えた愛の描写、そして首の傷がエラに変わるラストの衝撃。
「気まずい」と感じるか「美しい」と感じるかは人それぞれですが、どちらの感想も正解です。この映画のラブシーンが問いかけているのは、「愛に形は必要か」というシンプルで深いテーマです。アカデミー賞作品賞に輝いた本作のラブシーンを、ぜひご自身の目で確かめてみてください。

